ストーカーガエル

カバの親子で、しりとりは無理 ?!」について

次回のナガコガネグモの日常で引用する都合上、2006年に書いた 「ストーカーガエル」 と題したエッセーを先にアップしよう。


夏の夜、出先からの帰りの出来事だった。急ぎ足で踏み石を渡っていたら何かを蹴った。重量感はあったが石ほど硬くはなかったし、何だったのだろうと気になって、帰宅してから懐中電灯を持ち出して見に行った。そこには、何と大人の手のひらほどの灰褐色のカエルが気絶していた。    恐る恐るサンダルの先でさわってみたが、動かない。これでは他の人に踏まれてしまうと思って、手に持ったサンダルの先で植え込みの中に移動した。 

それから数日後の昼下がり、草むしりをしていたら、かのカエルがブロック塀のわきをのっしのっしと歩いていた。あらら、あの時に助けたウシガエルだ。お礼を言いに来たのだと思った。命を助けられた恩義を感じているに違いない。うん、これはカエルの恩返しだ。 

昔、蛙沢と呼ばれていた地域が近くにあって、小さな沼にいろいろな種類のカエルが生息している。そこから通ってくるのかと思ったのだが、あるとき、我が家の浴室のわきにあるガス管の近くの穴にもぐるのを目撃した。その穴の中で冬眠するらしく、それから毎年、家の周りで見かけるようになった。あるときは伴侶と一緒のときもあった。そんなことが6年以上続いた20年前の4月に、一駅先の家に引っ越しをした。

引っ越しの当日、疲れたので荷物の整理はそこそこにして早く休もうと入浴した。裸になって浴室に入った途端、私は腰が抜けるほど仰天した。シャンプーなどの入ったかごの中に 「うちのカエル」 が、ちょこんとカエル座りをしていた。 

当時はストーカーという言葉はなかったが、今思うと、恩返しではなくて私に一目ぼれしたに違いない。 

「裸を見ないで」
「無理だよ。あっちへ行ってて」

などと大騒ぎの末、息子に家の外に連れ出してもらったが、その後、見かけなくなった。引っ越し先にまでつきまといはしたが、危害は加えず何年も私を楽しませてくれた存在だったので、そんな形で別れたのがとても寂しい。


注 このエッセーに書いた出来事は、今から27年も前のことになる。

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