まよひとのお尋ね
市の防災無線が入った。
「○○市役所からのお知らせです。まよひとのお尋ねをいたします。年齢は△△歳……」
まよひと
聞き違えたかと思ったが、年齢、服装と続いたので、ああ、迷い人かと気がついた。
3回繰り返して 「以上で終わります」 と無線が切れた。
1分ほどして再度無線でお知らせが入った。 「まよいひとのお尋ねです。……」
多分、さきの放送を聞いて誰かが 「迷人」 と書かれた原稿に 「い」 の送り仮名を入れたのだろう。それを再度読み直したに違いない。年配の男性の声だから、シルバー人材センターの人だろう。ふだんは 「まよいにん」 と放送が入るが、この人はきっと 「人」 は 「ひと」 と読みたかったに違いない。
「まよいひと」 なら見当がつくが、「まよひと」 では 「え
何のこと
」と思ってしまう。かわいらしい間違いで、3回繰り返して聞くと何だか楽しい気分になった。もとはといえば原稿に送り仮名を入れなかった人のせいといえなくもない。 
30分ほどした今、また放送が入った。 「先ほどのまよいびとは無事保護されました……」 まよいにんというのが一般的なのか、まよいびとというのか、私もわからなくなった。国語の試験ではないのだから意味が通じれば
だ
「○○市役所からのお知らせです。まよひとのお尋ねをいたします。年齢は△△歳……」
まよひと

3回繰り返して 「以上で終わります」 と無線が切れた。
1分ほどして再度無線でお知らせが入った。 「まよいひとのお尋ねです。……」
多分、さきの放送を聞いて誰かが 「迷人」 と書かれた原稿に 「い」 の送り仮名を入れたのだろう。それを再度読み直したに違いない。年配の男性の声だから、シルバー人材センターの人だろう。ふだんは 「まよいにん」 と放送が入るが、この人はきっと 「人」 は 「ひと」 と読みたかったに違いない。
「まよいひと」 なら見当がつくが、「まよひと」 では 「え



30分ほどした今、また放送が入った。 「先ほどのまよいびとは無事保護されました……」 まよいにんというのが一般的なのか、まよいびとというのか、私もわからなくなった。国語の試験ではないのだから意味が通じれば


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