不気味な男性


先日、降圧剤をもらいに医院に行った。外出を控えるようにとか先に延ばせる症状の人は病院に行かないようにとテレビで報じられているが、降圧剤は一度飲み始めたら途中でやめてはいけないと聞いていたので、閉院間際に行ってきた。だれも患者はいなかった。  

帰りに買い物をして電車に乗った。二駅だから立っていようと思ったが、病人だし  優先席の出口に近い席があいていたので座った。1駅過ぎると2人がおりて私1人になったが、次におりるのだからとそのまま移動しないで座っていたら、頭の上でコホン、コホンとせきのようなせき払いのような音がした。 

驚いて上目遣いに見ると、マスクをした男性が私のほう(下)を向いてせきをしていた。毎日、四六時中テレビなどで濃厚接触はやめるようにとかいわれている昨今、他人の頭に向かってそのようなことをするなんてと、驚くよりも不気味だった。ドアの前なのだから何も座席に向かってせきをすることはない。たとえマスクをしていても口元に手を当てて人のいない通路に向かってコンコンとすればよい。  

立ち上がるか一番離れた席に移動するかしたかったが、そういう人は何をするかわからないので、すぐに行動を起こすことはやめて目立たないようにじりじりとお尻を移動して隣の席との境い目に進んだところで下車駅に着いた。おりるときにちらっと見たが、ごく普通の中年男性に見えた。しかし、人は見かけによらぬものというが、まさにそのとおりで、新型コロナの感染者が毎日増加しているというのに、わざとなのだろうか。 

それから10日経過したが体に異変はないので無事に済んだと思うが、込んでいるわけでもない電車内で他人の頭に向かってせき払いをするなど信じられない。世の中には変な人がいるものだ。 


かと思うと、惣菜屋さんの前で、買い物をしている人の横から何かおいしそうな物はあるかと品定めをしていたら、2メートル離れたところに若い男性が立っていた。どうやら濃厚接触を避けて次の人が立っていたようだ。危うく割り込みをするところだった。  幾ら何でも外で、込み合っているわけでもないところで、そんなに離れなくてもよいのにと心の中で笑った。

しかし、人に向かって軽くとはいえ、せきを吹きかけるような人に比べたらずっと紳士的だ。