「Go To トラベル」は失政だった

第3波の急拡大は「国民のせい」か GoToにしがみついた政権の姿勢、「気の緩み」招く 11/24(火) 19:02配信

新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、政府は21日の新型コロナ感染症対策本部で「Go To トラベル」事業の運用見直しを決めた。「遅すぎる」ことも、旅行需要の喚起を目的とした施策の変更を3連休の最中に発表したセンスのなさも、ここではあえて繰り返さない。だが、筆者が言いたいのはそれだけではない。菅政権が打ち出した経済対策が、事実上GoTo事業「ほぼ一択」であることに対する、深い失望である。GoTo事業とは「国民を健康被害の恐怖にさらしてまでも、そのポケットマネーに頼って経済活性化を図る」ことであり、つまりは「旅館や飲食店が助かるかどうかは国民の行動にかかっており、助からなくても政府の責任ではない」という「究極の『自助』政策」なのではないか。(ジャーナリスト=尾中香尚里)


この「Go To トラベル」事業は、たしか7月23日の海の日から半ば強行された事業だ。東京は不本意ながら除外されたが、それでも全国的に終息していたわけではない。そのような時期に経済を守る、あるいは夏休みに集客を図って観光業などの経済を立て直すという名目のもとに強行された。その後も各地で感染が拡大するとキャンセル料は国負担をしながらも今までずっと続けていた事業だ。 

旅行代金の35%だったか、国が負担をし、キャンセル料も負担し、その他いろいろな特典をつけて行われた事業だが、その仕組みが複雑でキャンペーンに参加する手続を断念して恩恵を被れない小規模事業者も多かった。結果、それで経済が潤ったのは大手の観光業者だけだった。国民に付与した金額も含めて最初から夜間営業を自粛させた飲食店や小規模の観光業者に対しても付与したほうが公平でよかった。そして緩やかではあっても自粛生活を国民に求めたほうが、これほど感染者数がふえることはなかった。「Go To トラブル」事業にほかならない。  

こんなこと、医療、経済に素人の私がいわなくても当時、各界の識者が指摘していたのに強行したのは政府が経済界にヨイショした政策にすぎなかった。この事業を強行して感染拡大の危険性をふやしてしまった責任は重い。安倍政権の当時から、政府はこうした国民の行動をしばしば「気の緩み」などと表現して、あたかも感染拡大を「国民のせい」といわぬばかりの発言を繰り返してきたが、そもそも「気の緩み」を積極的につくり出してきたのは政権自身の姿勢だという自覚が、余りにも足りない。 

昨今の感染者数の増大を見ると、こうして粛々と生活してきた私たちは、いつまで我慢したらよいのだろう。高齢者は先が短いのにお見舞いに行っても追い返され、友人たちとのささやかな食事やおでかけ  もできずにひっそりと過ごすのにはもうあきた。いっそのことコロナ騒ぎが起きる前に針を戻して普通の生活をしたらどうなるのだろう。   

万が一罹患しても医療従事者の負担が大変だから治療はしない。長く苦しむのは嫌だから望む人には青酸カリを配り、強者だけが生き残るというのはどうよ