おのじゅん 小野口純子

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zoom RSS 刑事裁判傍聴記 平成8年1月12日(金)─T ポケットの中まで 

<<   作成日時 : 2013/11/27 23:00   >>

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刑事裁判傍聴記 平成7年11月29日(水)─\ オウムのせいで刑事部増設」について

平成8年1月12日(金) 

午前10時から426号法廷で二木正弘被告の第2回公判があった。 

426号法廷の手前に長テーブルが幾つか置かれて、通せんぼのようになっていた。例のとおり傍聴券と引きかえに、入念な持ち物検査とボディチェックが行われた。入廷するときに男性は身一つだが、女性は1個だけ手荷物 (バッグ) を持つことが許される。私は速記用具を入れた大き目のバッグとハーフコートを着たまま係官の前に立った。

「机の上に、バッグの中身とポケットの中身を出してください」 指示どおりに出したが、左ポケットの中身を出すのをためらっていたら、出すようにと促された。 

「使用済みのティッシュペーパーだけですので」 
「とにかく全部出してください」 
「危険物ではありませんので、上から触ってみてください」 

などと押し問答をしていたら、何事かと数人の係官が集まってきた。もうこれまでと観念してポケットの中身を出したら、何だというように集まってきた人たちは散ったが、視線は私の方にある。「これだけです」 と、すぐ戻そうとすると 「机の上に出しておいて」 といわれた。 

トイレに行って口紅を塗った後に押さえたティッシュペーパーだ。 恥ずかしいの何の   
 

雑に丸めたティッシュがむくむくと広がって、くっきりとついた唇の跡が丸見えだ。せめてきちんとたたもうとしたら、触らないでと制止された。口紅の跡は裁判所に似合わぬ生々しさだ。なおも私がハンカチを上に乗せて隠そうとしたら 「全部検査が終わるまで机の上に並べておいてください」 といってバッグの中身を調べ始めた。遠巻きにした係の人たちはクスクス笑っている。 

「ごみ箱がなかったものですから」 
「全部検査が終わったら廊下の端にある灰皿に捨ててもいいですよ」

ああ恥ずかしかった。バッグの中身は覚悟していたが、まさかレディーのポケットの中身まで根こそぎ  出させられるとは思わなかった。 

検査が終わって灰皿に近づいたら、吸い殻が山のようになっていた。テレビドラマであれば灰皿に捨てられた口紅のついたティッシュペーパーが、たばこの残り火で燃え上がり恋の予感……なんてシーンにもなりそうだが (そんなことないないと、天の声) 裁判所と恋をしても仕方がない。ここへ捨てるわけにもいかないと、結局また左ポケットに忍ばせた。 

大体、ごみ箱がなくなったのはオウムのせいだ。裁判所はそれ以前からごみ箱がなかったかどうかは知らないが、地下鉄の駅もJRの駅も、不審物を警戒してサリン事件以来、構内やホームからごみ箱が撤去された。平成10年ごろからか、JRではまたごみ箱を見かけるようになったが、一時は全国的に撤去されたと思う。

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