水清ければ魚棲まず? 瀬戸内海

瀬戸内海で魚介類の漁獲量が減り続け、漁師らから 「水がきれいになり過ぎて、魚が住めない   」 こんな声が上がっているのだそうだ。


瀬戸内海では高度成長期、工場排水や生活排水に含まれる栄養塩で富栄養化が進み、赤潮の被害が頻発したため、国は、79年施行の 「瀬戸内海環境保全特別措置法」 (瀬戸内法) で工場排水制限や下水道整備などを進め、01年には窒素やリンの総量規制も定めた。

その結果、83年に1リットルあたり0・34ミリ・グラムだった海中の窒素量は、昨年は0・14ミリ・グラムにまで減少。海水の透明度も大阪湾で3メートルから6メートルに広がった。



水質改善が進んだことで、植物プランクトンを育てる窒素やリンなどの 「栄養塩」 が減り過ぎたことが漁獲量減少の一因と分析する研究者もおり、国も実態解明に乗り出した。

農林水産統計などによると、瀬戸内海の漁獲量は1982年の46万トンをピークに減少し、2010年は17万5000トンまで落ち込んだ。80年代に比べ、カレイ類が2分の1、イカナゴは6分の1に。アサリ類は約190分の1に激減した。

 
関西空港に近い泉佐野漁港 (大阪府泉佐野市) では、瀬戸内海での8時間の底引き漁から戻ってきた男性 (38) は、10年前は1日に7~8万円分の水揚げがあったのに、今は2万円程度。船の燃料代も高いし、ほとんどもうけはないと浮かない表情を見せたという。

漁獲量減少の原因として、漁師が口をそろえるのは 「海がきれいになり過ぎて、魚がいなくなった」 ということ。兵庫県立農林水産技術総合センター・水産技術センターの反田実所長は 「海水中の栄養塩が減り、海が 『貧栄養化』 してきたためでは」 と指摘する。

因果関係は明確ではないが、漁獲量の減少は水質改善と並行して進んでいるそうだ。何だか孔子の唱えた 「水清ければ魚棲まず」 を地でいっているような話だが、水質改善が進んできれいな環境になったと喜ぶべきことが、漁業者にとっては死活問題になるとは難しい問題だと思う。

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