鳥の忖度

1月末、物置に保管していたミカンの中に幾つかカビの生えたものがあった。それを丸ごとベランダの端に置いたら、翌日には皮も含めてなくなっていた。その翌日、今度はカビの部分を除いてまたベランダの端に置いた。すると、中身だけ器用に食べて皮をベランダの外に放り出した。カビの生えた皮を食べておなかを壊さないのか、正露丸も脇に置いたらどうするかなど要らぬ心配をしたが、元気に毎日近くの木にやってきた。 

かびの生えていない干からびた皮をいつまでも共有の庭に置いておくわけにいかず、カギをあけて、お隣さんの前を通ってまで始末に行くのが嫌で、フェンスのすき間から物干し用の二股にビニール袋を重ねて結わえたもので苦労しながらミカンの皮を回収した。気がつくと、その間じゅう、木の枝にとまったヒヨドリがずっと見ていた。 

次の日、またかびを除いたミカンを置くと、中身を食べ、輪になった皮はベランダの端に置いたままだった。きっと木の上から、私が苦労して皮を回収していたのを見たから手間をかけまいとして敷地にまで持っていかなかったのだろう。偉い、偉い   


毎年、知人が大切に育て上げたミカンを山ほどいただく。友人知人に分けて、それでもたくさんあるので冷蔵庫に入りきらない。発報スチロールの箱に新聞紙を敷いてミカンを入れその上にまた新聞紙を掛けて外のなるべく日の当たらないところに保存しておくと、3カ月以上ミカンが食べられる。途中で時々チェックして、かびの生えたものは取り出す。  この方法はリンゴやダイコンなど他の野菜類にも応用できる。ミカンおじさん に教わったものだ。発泡スチロールの有効活用で大気汚染の削減にも寄与しているのではないか。 

途中で数回カビなどをチェックするが、そのときにかぶせた新聞紙が湿っている。それを取り除いてはいけない。ミカンから出た水分が循環して2カ月以上もみずみずしてミカンが食べられる。この方法でもさすがに4カ月目は実がしぼんで皮がふっくらと持ち上がったが、それでもミカンの味がする。毎年、肥料を施し、水害で山が崩れると職人さんに修理を頼み、柵にしがみつく猪と奮闘してつくったミカンを無駄にはできない。先日、最後のミカンを鳥と分け合って食べ終わった。 ヒヨドリは、今季最後と知ってか知らずか、皮まできれいに食べていった。  




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